みなさんこんにちは 今回は 水害とソーラーパネルのIP規格 です
ここ数年、大雨による被害が非常に多くなっています
大雨で川が氾濫しソーラーパネルが水没してしまった!という話も珍しくありません
土砂崩れで物理的に壊れてしまった場合はさておき、大雨で
水浸しになった場合のソーラーパネルは使えるものなのでしょうか?
先のようなお問い合わせをまれに受けることがあります
基本、雨風で濡れる程度ではソーラーパネルは何の問題もありません
ソーラーパネルの防水や防塵に関する品質は下記のような規格で管理されています
ソーラーパネルには防塵・防水を証明する”IP規格”
(IPで始まる2つ数字であらわされ、数字の左が防塵で最高6、右が防水の等級で最高8)
というものが存在し、国際規格のIEC(※1)やJIS規格(※2)で定められています
とりわけ防水に関する基準は、ソーラーパネルのJIS規格 JIS C 8917 で JIS C 0920 防水保護等級4以上と規定されており、、、
という難しいは話はさておき、ソーラーパネルとしては ”4” 以上の規格があればよいとされています。
ちなみにIP規格の等級としては以下のような分類です。
防水等級 | 保護度合 | 確認方法 |
IP■0 | 無し | 無し |
IP■1 | 垂直に落ちてくる水滴に害を受けない | 200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分 |
IP■2 | 垂直より左右15°以内からの水滴によって害を受けない | 200mmの高さより15°の範囲3〜5mm/分の水滴、10分 |
IP■3 | 垂直より左右60°以内からの水滴によって害を受けない | 200mmの高さより60°の範囲10ℓ/分の放水、10分 |
IP■4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても害を受けない | 300〜500mmの高さより全方向に10ℓ/分の放水、10分 |
IP■5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても害を受けない | 3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水、3分間 |
IP■6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても害を受けない | 3mの距離から全方向に100ℓ/分・100kpaの噴流水、3分間 |
IP■7 | 規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない | 水面下・15㎝〜1m、30分間 |
IP■8 | 水面下での使用が可能 | メーカーで規定される |
防塵等級 | 保護度合 | 確認方法 |
IP0■ | 無 | 無 |
IP1■ | 手などから保護 | 直径50mm以上の固形物が内部に侵入しない |
IP2■ | 指などからの保護 | 直径12mm以上の固形物が内部に侵入しない |
IP3■ | 工具などの先端からの保護 | 直径2.5mm以上の工具先端や固形物が内部に侵入しない |
IP4■ | ワイヤーなどからの保護 | 直径1.0mm以上のワイヤーや固形物が内部に侵入しない |
IP5■ | 粉塵などからの保護 | 機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の料の粉塵が内部に侵入しない |
IP6■ | 完全な防塵構造 | 粉塵の侵入が完全に防護されている |
参考:IP:Ingress Protection(侵入に対する保護) 例:IP68=完全な防塵(6)で水面下で使用可能(8)
さて本題に戻り、水没した後のソーラーパネルについては、IP67仕様の製品では水深1m(淡水)で30分以内までは動作確認済みです
IP68仕様の製品では数センチ程度の水中でのは問題ないとされております
(ただし、あくまでもジャンクションボックス部位への水の侵入、接続コネクタについては、正しく接続されている必要があります。)
ですので、IP67規格以上のソーラーパネルは、水深1m以内で30分程度水(淡水)につかっていた状態では、さほど問題はないといえます
しかしながら、経年により外的要因で不具合が出でしまっている場合に、その個所から水の侵入の可能性もありますので、必ず施工業者さんに絶縁抵抗値や、電流・電圧値をチェックしてもらいましょう
また、これはソーラーパネルに限っての話ですので、太陽光発電設備全体として、施工条件によって集電箱やパワーコンディショナーが水没してしまい電気が逆流していた時などは水の侵入とは別の意味で使用に問題があるときがあります
水害に合われて水没してしまった時などは、必ず施工してもらった施工店や専門家に見てもらいましょう
あと、当然ですが、水没しているとき(水が引いても水分が乾きってない場合も含む)に発電設備に近寄ると感電の可能性があるので絶対に近寄らないようにしてください
最後に、ソーラーパネル(太陽光パネル)のご相談はBLUERAY株式会社までお気軽にお問い合わせください
※1 IEC(InterNational Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格、IEC144、IEC529およびDIN40 050
※2 JIS(日本工業規格) C 0920-1993 & JEM1030-1983)
その他の関連リンク 太陽光発電システム ソーラーパネル(太陽光パネル)の製品保証と出力保証とは?保証の違いを理解しておきましょう!